「アフターピルのエラワンってどんな薬？」「アフターピルにはいくつか種類があるけど違いがわからない」などのお悩みを持っている方もいるでしょう。
アフターピルとは、性交時の避妊に失敗した場合や、望まない妊娠の可能性がある場合に服用する緊急避妊薬です。薬によって服用のタイミングや費用相場が異なります。
本記事では、アフターピルの「エラワン」について詳しく解説しています。「アフターピルについて知りたい」といった方は、ぜひ参考にしてください。
「エラワン」とはアフターピルのひとつ
「エラワン」とは、「ウリプリスタル酢酸エステル」を主成分とするアフターピルです。商品名として「エラ」とも呼ばれることもあります。
アフターピルは、なるべく早く服用することで妊娠阻止率が高くなりますが、「エラワン」は性交後120時間以内の服用が推奨されています。
適切に服用すれば高い避妊効果が得られますが、常用するのはおすすめしません。基本は毎回正しく避妊して、緊急用として使用しましょう。
アフターピル「エラワン」の効果
アフターピルを服用すると妊娠を阻止する効果が期待できますが、その理由ははっきりと解明されていません。妊娠を阻止できる理由のひとつとして、排卵の抑制や遅延によるものが考えられています。
実際に、排卵前にアフターピルを服用することで、その後5〜7日間排卵が抑制され、正常な排卵過程を障害したとのデータがあります。排卵がないと受精そのものが成立しないため、妊娠を阻止できるということです。
さらにアフターピルでは、子宮内膜の増殖を抑制する作用もあるとされています。通常生理が起こると、卵胞期から黄体期にかけて受精卵が着床しやすいように、子宮内膜の増殖が見られます。しかしアフターピルを服用することで、一時的に子宮内膜の増殖を抑えられるため、たとえ受精が起こったとしても妊娠が成立しにくくなるのです。
アフターピル「エラワン」の処方が適応となるケース
アフターピルを使用するのは、性交時に避妊に失敗したなどの理由で、望まない妊娠の可能性がある場合です。
アフターピルの処方が適応となるのは、以下の状況のときです。
- 避妊をせずに性交をした場合
- コンドームが外れたり破れたりした場合
- 経口避妊薬（低用量ピルなど）の飲み忘れや下痢などによる吸収障害があった場合
- 膣外射精された場合
- レイプや性的暴行を受けた場合
- 子宮内避妊具などの不適切な装着・破損・脱落があった場合
- 性交後8時間以内に避妊用ペッサリーを除去した場合
上記の状況に当てはまるときには望まない妊娠のリスクがありますので、一刻も早くアフターピルを服用する必要があります。
アフターピルは「エラワン」以外にも種類がある
アフターピルには「エラワン」や「エラ」のほかにも、レボノルゲストレルを主成分とした「ノルレボ錠」や「マドンナ」などの薬があります。
当院では、「マドンナ（Madonna）」と「エラ（Ella）」の2種類のアフターピルを取り扱っています。
| Madonna | Ella | |
| 主成分名 | レボノルゲストレル | ウリプリスタル酢酸エステル |
| 服用量 | 2錠 | 1錠 |
| 服用時間 | 性交後72時間以内 | 性交後120時間以内 |
それぞれ服用のタイムリミットが異なるため、性交後どれだけ時間が経っているかによって、選択される薬が変わります。マドンナは性交後72時間以内の服用、エラは性交後120時間以内の服用が推奨されています。
アフターピルの種類や特徴について詳しく知りたい方は、「アフターピルの種類による効果の違いは？副作用や値段についても紹介」の記事もあわせてお読みください。
アフターピル「エラワン」と「ノルレボ錠」の妊娠阻止率
アフターピルは薬によって服用時間が異なりますが、どちらにしても早く服用するほど妊娠阻止率が高くなることがわかっています。
レボノルゲストレル（マドンナやノルレボ錠）は、性交後72時間以内の服用が推奨されている薬です。性交後24時間以内に服用することで約95%の妊娠阻止率があり、72時間以内の服用で84%、120時間以内の服用で63%と、時間とともに妊娠阻止率が低下するとされています。
対してウリプリスタル酢酸エステル（エラワンやエラ）は、性交後120時間以内の服用が推奨されている薬です。海外の臨床試験から、性交後72時間以内の服用についてはレボノルゲストレルと同等の避妊効果、72〜120時間までの服用においては、レボノルゲストレルよりも高い効果が期待できるとされています。
万が一推奨されている時間を超えてからアフターピルを服用したとしても、服用しない場合に予想される妊娠率を低下させられるとのデータがあります。このことから、推奨される服用時間を過ぎてしまっても、アフターピルの妊娠阻止率は急に消失するわけではないといえるでしょう。もし性交してから時間が経ってしまっていたとしても、自己判断で諦めてしまうのではなく、まずは医師に相談することが大切です。
アフターピルの服用時間と妊娠阻止率については、「アフターピルは何時間以内の服用が必要？気になる値段や副作用も紹介」でも詳しく解説しています。
「エラワン」などのアフターピルの飲み方や注意点
エラワンを含むアフターピルを処方してもらったら、医師の指示のもと一刻も早く服用しましょう。しかし状況によっては、期待する効果が得られない場合があります。この章では、アフターピルの飲み方や服用する際の注意点をご紹介します。
エラワンなどのアフターピルは、決められた量を水またはぬるま湯で服用しましょう。服用のタイミングについては決まりはありませんが、空腹時には吐き気が起こりやすいとされているため、軽食を取ったあとの服用が推奨されています。
万が一エラワンを服用したあとに嘔吐してしまった場合は、服用後3時間以内であれば、もう1回分服用しなければならない可能性があります。アフターピルを処方してもらったクリニックに速やかに相談しましょう。服用後3時間が経過していれば、薬の成分は吸収されていると考えられます。
服用する薬によっても適切な対応が異なりますので、医師へ確認しておくと安心です。また、アフターピルによる嘔吐が持続する場合は、銅付加子宮内避妊具が検討されることもあります。
なお、医師が処方するアフターピルは基本的に安全性が高い薬といわれていますが、以下に当てはまる方はエラワンを服用できないことがあります。
- 重篤な肝障害がある方
- 重度の喘息がある方
- すでに妊娠している方
- 以前ウリプリスタル酢酸エステルの薬を服用してアレルギーの症状が出た方
- ほかの避妊薬（低用量ピルなど）や緊急避妊薬（アフターピル）を服用している方
上記のほかに飲み合わせに注意が必要な薬もありますので、既往歴がある方やほかに服用している薬がある方は、事前に医師へ相談しましょう。
また、アフターピルの服用後は排卵遅延を招く可能性があるため、正しい避妊の徹底もしくは性交を避ける必要があります。
「エラワン」などのアフターピルに見られる副作用
アフターピルの副作用は、生理中に見られる症状と似ています。具体的に見られる副作用は以下の通りです。
- 性器からの不正出血（消退出血）
- 頭痛
- 吐き気
- 倦怠感
- 下腹部痛
- 乳房の張りや痛み
- 傾眠
副作用の頻度として最も多いのが消退出血です。消退出血とは、アフターピル服用後2週間以内に2〜3日ほど起こる出血で、避妊が成功するとほとんどの場合で消退出血が起こるとされています。
副作用はアフターピルや服用する人によっても多少異なりますので、気になる症状がある場合には、早めに医療機関を受診しましょう。
「エラワン」をはじめとするアフターピルの購入方法と値段
アフターピルを処方してもらうには、医師の診察を受け、処方箋を発行してもらう必要があります。そのため、ドラッグストアなどの薬局では購入できません（2023年10月時点）。
診察は、婦人科などの医療機関を受診してもよいですし、オンライン診療でも可能です。当院ではオンラインでの診療を受け付けており、来院不要で即日処方にも対応しています。
| Madonna | Ella | |
| 主成分名 | レボノルゲストレル | ウリプリスタル酢酸エステル |
| 値段 | 8,800円（税込） | 13,750円（税込） |
| 服用時間 | 性交後72時間以内 | 性交後120時間以内 |
アフターピルは保険適用外であり、自由診療となります。そのためクリニックによって費用はさまざまです。
なかには通販や個人輸入して販売している人もいますが、医師の診察なしに販売されている薬は品質が保証されておらず、安全性が担保されていません。避妊に効果のある成分が含まれていなかったり、体に害のある成分が含まれていたりする恐れがあります。安全にアフターピルを服用するには、医師の診察を受け処方してもらうようにしましょう。
アフターピルの購入方法については、「アフターピルはどこで買える？正しい購入方法と処方までの流れを解説」の記事で詳しく紹介していますので参考にしてみてください。
アフターピル「エラワン」に関するよくある質問
この章では、アフターピル「エラワン」に関する以下の疑問について解説します。
- 消退出血がこないのですが、避妊失敗ですか？
- 生理はどれくらいできますか？
- オンラインでアフターピルを購入するのは安全ですか？
- ノルレボ錠とエラワンならどっちがいいですか？
ここで解決できない内容に関しては、医師へ相談しましょう。
消退出血がこないのですが、避妊失敗ですか？
人によっては、アフターピル服用後に消退出血をはっきりと確認できないケースもあります。生理との区別が難しかったり、出血が少量であったりすることも珍しくありません。
避妊が成功すると消退出血が起こることが多いとされていますが、消退出血がないからといって自分で「妊娠した」と判断するのは避けましょう。3週間後の生理がくるまでは待ち、それでも出血がない場合には、妊娠検査の実施を推奨しています。
生理はどれくらいできますか？
アフターピルを服用すると、約80%以上の女性が生理予定日の前または2日以内、95%の女性が生理予定日の7日以内に生理がきたとのデータがあります。
服用後およそ3週間以内に生理がくるといわれていますが、予定日を7日過ぎても生理がこない、いつもの生理よりも出血が少ないといったことがあれば、妊娠検査を実施しましょう。
オンラインでアフターピルを購入するのは安全ですか？
オンライン診療でアフターピルを処方してもらうことは安全なのか、不安な方もいるでしょう。オンライン診療であっても、医師による処方であれば安全といえます。
オンライン診療では、以下のメリットが考えられます。
- 場所を問わず診療・処方を受けられる
- 診察や処方の待ち時間がない
- クリニックによっては週末や年末年始なども診察を受けられることがある
- 家族や周囲の人に知られる可能性が低い
オンライン診療の場合、医療機関で直接アフターピルを受け取るよりも、手元に薬が届くのに時間はかかります。しかし、病院に行く時間や待ち時間まで含めると、どちらもさほど変わらないかもしれません。
また、アフターピルを処方してくれそうな病院が近所にない、病院で知人に会うのが不安といった方もいるかもしれません。オンライン診療であれば、周囲に知られる可能性が低くなります。
当院は24時間オンライン診療を受けつけております。最短10分での処方、即日発送にも対応可能です。不明点はLINEもしくは電話で医師へ相談できるため、安心してご利用いただけます。
オンラインでのアフターピル処方については、「アフターピルはオンラインでも処方可能なの？安全性や費用などを解説」でも詳しく解説していますのでご覧ください。
ノルレボ錠とエラワンならどっちがいいですか？
「ノルレボ錠」と「エラワン」のどちらがよいか迷う方もいるかもしれません。どちらも効果や妊娠阻止率に大きな差はありませんが、服用時間や費用に違いが見られます。
「ノルレボ錠」は72時間以内の服用が推奨されている一方で、「エラワン」は120時間以内とタイムリミットが長いため、性交後72時間以上が経過している場合には「エラワン」がよいでしょう。医師と相談して決めると安心です。
アフターピル「エラワン」の処方は当院のオンライン診療がおすすめ
アフターピルには大きく2種類あり、「エラワン」はそのうちの1つです。服用時間に違いが見られますが、どちらもなるべく早い服用で妊娠阻止率が高くなります。避妊に失敗した場合には、一刻も早く医療機関またはオンライン診療で医師の診察を受けましょう。
「病院に行く時間がない」「家族に知られたくない」といった方には、当院のオンライン診療がおすすめです。18時10分までの決済で、当日発送が可能です。クリニック選びに迷っている方は、ぜひ当院をご利用ください。
参考サイト・文献
・緊急避妊について｜東京都福祉局
・緊急避妊法の適正使用に関する指針（平成 28 年度改訂版）｜日本産科婦人科学会
・ellaOne30mg tablet ulipristal acetate｜Perrigo company
・緊急避妊薬としてのウリプリスタル酢酸塩とレボノルゲストレルの比較：ランダム化非劣性試験とメタアナリシス（日本訳）
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