「アフターピルはどこで買えるんだろう?」「アフターピルが必要だけど、買い方がわからない……」
この記事を読んでいる方の中には、上記のような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
アフターピルの購入方法はいくつかありますが、推奨されるのは、医療機関を直接受診する対面診療とオンラインを活用した診療です。これらはそれぞれ特徴があるので、自分に合った方法を選びましょう。
この記事では、アフターピルの購入方法と処方までの流れを解説します。個人輸入が推奨できない理由や、薬局での購入、市販化についても紹介しています。また、アフターピルに関するよくある質問にも回答していますので、ぜひ最後までご覧ください。
アフターピルはどこで買える?購入方法は2つ
緊急避妊薬であるアフターピルを購入するには、医療機関を受診する必要があります。直接医療機関を受診するだけでなく、オンライン診療も可能です。自分の状況によって、適切な方法を選びましょう。
医療機関とオンライン診療の特徴は、下記の通りです。
診療方法 | スピード | 利便性 | |
医療機関 | 対面 | 診療後すぐ受け取り | 通院や診療待ちの
時間が発生 |
オンライン診療 | オンライン | 最短当日到着 | 隙間時間に
スマホで完了 |
ネット通販(個人輸入)によってアフターピルを購入することもできますが、こちらはさまざまなリスクが考えられるため推奨できません。ここでは、医療機関とオンライン診療について、詳しく見ていきましょう。
1.医療機関で受診
医療機関でアフターピルを処方してもらうには、産婦人科を受診しましょう。対面での診療となるため、医師と直接話をすることで、安心感を得ることにつながります。
また、診療後にアフターピルを受け取り、その場で服用することも可能です。速やかにアフターピルを服用できるのは、医療機関を受診するメリットだと言えるでしょう。
その一方で、通院に時間がかかったり、診療までの待ち時間が発生したりすることがあります。アフターピルは、種類によっては性交後72時間以内の服用が必要です。そのため、近くにアフターピルを処方している医療機関がなければ、この点はデメリットとなるでしょう。
なお、厚生労働省のサイトには、緊急避妊薬に関する対面診療が可能な医療機関の一覧が掲載されています。医療機関を探す際の参考にしてみてください。
2.オンライン診療を受診
アフターピルの購入を希望する方の中には、「産婦人科に行くのは抵抗がある……」という方もいるのではないでしょうか。このような場合には、オンライン診療の活用がおすすめです。
日本では、2019年にアフターピルのオンライン診療が解禁となりました。オンライン診療は、医療機関が運営または提携しているので、安全面での心配はありません。
オンライン診療は、パソコンやスマホを使い、ビデオ通話などで時間や場所を選ばずに診療が受けられます。24時間診療可能なところもあるので、病院が閉まっている曜日や時間帯にも受診できるのは大きなメリットでしょう。
アフターピルは郵送となりますが、最短で当日配送してくれるところもあります。ただし、地域によって手元に届くまでの時間が異なるので、あらかじめ確認しておく必要があるでしょう。
当院では、通常配送とエクスプレス配送の2つの配送方法があります。
通常配送 | 当日発送の場合は原則翌日着
※一部地域では最短で翌々日のお届け |
エクスプレス配送 | 診療完了後から最短1時間、原則3時間以内でお届け
※対象地域は東京23区内、追加費用5,500円(税込) |
24時間対応していますので、お気軽にご相談ください。
ネット通販(個人輸入)で買うのは危険!
アフターピルの購入方法として、ネット通販(個人輸入)もありますが、医療機関を受診せずに個人で輸入するのは危険が伴います。厚生労働省は、医薬品の安易な個人輸入をしないよう注意喚起しており、実際に健康被害も報告されています。
ネット通販でアフターピルを購入する際のリスクは、下記の通りです。
- 有効性や安全性の確認がされていない可能性がある
- 偽造品が届く可能性がある
- 副作用出現時の対処方法が不明な可能性がある
日本国内で販売されている医薬品は、法律で規制されており、有効性と安全性が確認されています。個人輸入によって海外から取り寄せた場合は、日本では安全が確認されていないものが含まれている可能性があり、大変危険です。
また、正規品を装った偽物が送られてきたり、副作用出現時の対処法が不明であったりするケースも考えられます。アフターピルを購入する際には、必ず医療機関で受診するようにしましょう。
アフターピルは薬局では購入できない
アフターピルが必要になったとき、マツキヨやスギ薬局などのドラッグストアで手軽に購入したいと思う方は少なくないでしょう。しかし、処方箋なしでアフターピルを購入することはできません(2023年9月現在)。
ここでは、アフターピルの購入には処方箋が必要であること、また市販化やアフターピルの代わりになるものはあるかなどについて解説していきます。
処方箋があれば購入できる
アフターピルを購入するには、医療機関で発行された処方箋が必要です。アフターピルは、一部の薬局では購入可能ですが、この場合にも処方箋が必要となります。
「一部の薬局」とは、必要な研修を受けた薬剤師のいる調剤薬局のことを指します。つまり、アフターピルの購入には処方箋が必須で、さらに研修を受けた薬剤師がいる調剤薬局でないと購入できないのです。
このように、現状アフターピルを薬局で購入するのは、まだまだハードルがあると言えるでしょう。
今後市販化はされるのか
アフターピルを購入するには、医療機関を直接またはオンライン診療で受診しなければなりません。しかし、アフターピルの市販化を求める声があり、厚生労働省の検討会でも議題に上がっています。
厚生労働省によると、アフターピルを一部の薬局で試験的に販売する取り組みが検討されています。調査期間は2023年の夏頃から2024年3月末までの予定とされていますが、2023年9月現在、具体的な動きはありません。
試験販売について明確な開始日は示されておらず、アフターピルの市販化の目途は立っていないと考えられます。ただ、今後の試験販売の状況によっては、アフターピルの市販化が大きく前進する可能性があるでしょう。
アフターピルの代わりになるものは市販されているか
医薬品であるアフターピルの代わりになるものは、市販されていません。代わりになるような効果を持った医薬品やサプリも販売されておらず、探しても該当するものはないのが現状です。
また、一般的に「ピル」と呼ばれている低用量ピルも、アフターピルの代わりにはなりません。低用量ピルは、毎日服用することで避妊効果を発揮するもので、性交後に服用しても妊娠を回避することは不可能です。
このことからも、避妊しなかった、または避妊に失敗してしまった場合には、アフターピルを選ぶ必要があります。
【購入方法別】アフターピル処方の流れ
アフターピルを購入するには、下記の2つの方法があります。
- 医療機関で受診する
- オンライン診療で受診する
実際にアフターピルを手にするまで、それぞれどのような流れがあるのでしょうか。ここでは、購入方法別にアフターピルの処方の流れをご紹介します。
医療機関
アフターピルを購入するためには、産婦人科を受診します。診療時間内に受診する必要があるので、あらかじめアフターピルを取り扱っている医療機関を探しておくとスムーズでしょう。
医療機関でのアフターピル処方までの流れは、下記の通りです。
1.アフターピルを取り扱っている医療機関(産婦人科)へ行き、受付をする
アフターピルの処方は原則、保険適用はされません。自費診療となるため、保険証は不要です。
2.問診票を記入する
問診票の記入を求められた際には、必要事項を記入しましょう。
3.医師の診察を受ける
医療機関を受診すると、対面で診療がおこなわれます。生理周期や直近の生理日、避妊しなかったまたは失敗してしまった日時などを聞かれる可能性があります。アフターピルを処方するための大切な情報となりますので、慌てずに答えられるようにしておくとよいでしょう。
4.アフターピルを受け取る
診察して問題がなければ、アフターピルが処方されます。院内処方の場合は、病院内で受け取りが可能です。院外処方の場合は処方箋を持参し、調剤薬局で処方してもらいましょう。基本的にアフターピルは受け取ったその場で服用する必要があります。
オンライン診療
アフターピルのオンライン診療は、日本では2019年に開始されました。時間や場所を問わず診療が受けられるのが、オンライン診療の特徴でありメリットだと言えます。
オンライン診療でのアフターピル処方の流れは、下記の通りです。
1.予約・問診票を記入する
事前に問診票を記入することで、スムーズに診察が受けられます。最終の生理日などを記入するので、事前に控えておくと安心でしょう。
2.医師の診察を受ける
電話やビデオ通話などで、医師による診察を受けます。アフターピルの適応があると判断された場合には処方箋が発行されます。
3.支払いをする
代金を支払うと、アフターピルが発送されます。最短当日発送が可能なところも増えています。
4.アフターピルを受け取る
多くの場合プライバシーに配慮し、中身がわからないように梱包されています。
アフターピルの値段は?
アフターピルには、ノルレボ錠(レボノルゲストレル錠、マドンナ錠)とエラワン(エラ)の2種類があります。アフターピルは自由診療であるため、保険適用外です。取り扱っている医療機関によって、値段が異なります。
当院では、ノルレボ錠のジェネリック医薬品であるマドンナ錠と、エラワンのジェネリック医薬品であるエラを取り扱っています。この2つの値段について、具体的に見ていきましょう。
ノルレボ錠(マドンナ錠)とエラワン(エラ)の当院での値段と一般的な相場は、下記の通りです。
ノルレボ錠 | エラワン | |
当院での値段 | 8,800円(税込) | 13,750円(税込) |
一般的な相場 | 10,000円前後 | 10,000円前後 |
医療機関によりますが、10,000円前後がアフターピルの相場だと言えるでしょう。
アフターピルとは?
アフターピルは、「緊急避妊薬」のことです。避妊しなかったり、避妊していたが失敗してしまったりした場合に、妊娠を阻止する目的で使われます。
アフターピルには2種類あり、性交から72時間以内、または120時間以内の服用で避妊効果を発揮します。ここでは、アフターピルの種類と効果、さらに副作用について解説します。
アフターピルの種類と効果
アフターピルには、ノルレボ錠(レボノルゲストレル錠、マドンナ錠)とエラワン(エラ)の2種類があります。これらは、それぞれ主成分や避妊率(妊娠阻止率)に違いがあります。
下記は、レボノルゲストレルとヤッペ法(1970年代に発表され、多く用いられてきた緊急避妊法)の妊娠阻止率を比較したグラフです。
出典:緊急避妊法の適正使用に関する指針(平成 28 年度改訂版)日本産科婦人科学会 編
ノルレボ錠(レボノルゲストレル錠、マドンナ錠)は、性交後24時間以内の服用で95%、48時間以内で85%、72時間以内で58%となっています。
一方、エラワン(エラ)は、性交後120時間以内に服用することで、避妊効果が期待できます。海外でおこなわれた臨床試験によると、エラワン(エラ)の効果は下記の通りです。
- 性交後72時間未満の服用では、レボノルゲストレルと同等の効果がある
- 性交後72時間から120時間までの服用では、レボノルゲストレルより効果が優れている
このように、アフターピルは速やかに服用することで、より高い避妊効果が得られると言えるでしょう。
アフターピルの副作用
正しく服用することで、高い避妊効果が期待できるアフターピルですが、副作用にはどのようなものがあるのでしょうか。アフターピルの主な副作用は、下記の表の通りです。
商品名 | 主な副作用 |
ノルレボ錠、レボノルゲストレル錠、マドンナ錠 | 消退出血、不正出血、頭痛、悪心、倦怠感、傾眠など |
エラワン、エラ | 頭痛、吐き気、倦怠感、腹痛、生理痛、めまいなど |
アフターピルは基本的に、重篤で持続的な副作用はないとされています。しかし、医薬品である以上、副作用出現のおそれがないとは言い切れません。アフターピルの服用後には、このような症状が表れていないか注意しましょう。
アフターピルに関するよくある質問
最後に、アフターピルに関するよくある3つの質問をご紹介します。
- アフターピルを家族にバレずに買うには?
- アフターピルは男性でも買える?
- 産婦人科でアフターピルだけもらうことは可能?
それぞれの質問について、詳しく回答していきます。
アフターピルを家族にバレずに買うには?
アフターピルは自由診療であるため、保険証は不要です。そのため、医療機関を受診しても、家族にバレることはないでしょう。
オンライン診療では、基本的にプライバシーに配慮した形でアフターピルが送られてきます。家族と同居していても、中身がわからないようになっているので安心です。中には、コンビニ受け取りが可能なところもあるので、状況に応じて活用するとよいでしょう。
ただし、未成年の場合、アフターピルの処方は医療機関によって対応が異なります。トラブル防止のために年齢制限を設けている場合もあるので、必ず事前に確認しましょう。
なお、当院のご利用は18歳以上の方としております。
アフターピルは男性でも買える?
アフターピルは、男性が購入することはできません。アフターピルの処方には、医師の診察と処方箋の発行が必要となるためです。アフターピルを服用する女性本人が、医師の診察を受けなければなりません。診察への付き添いは、男性でも可能です。
一方で、女性特有の診療科である産婦人科は、男性の同行が好ましくないケースも考えられます。その場合には、オンライン診療を活用するのがおすすめです。
産婦人科でアフターピルだけもらうことは可能?
産婦人科でアフターピルだけもらうことはできません。アフターピルは、医師の診察を受けた上で処方してもらう必要があるためです。
最近では、オンライン診療が可能な医療機関も増えています。オンライン診療を活用すれば、診察からアフターピルの処方まで、すべてがオンラインで完結します。産婦人科の受診に抵抗がある場合には、オンライン診療も検討するとよいでしょう。
アフターピルは医療機関で購入!オンライン診療も活用しよう
アフターピルを購入するには、医療機関を受診して医師の診察を受ける必要があります。直接医療機関に行くだけでなく、オンライン診療を活用することも可能です。自分の状況に合わせて、どちらを選択するか決めるとよいでしょう。
アフターピルは、ネット通販で購入することもできますが、個人で輸入するのはさまざまなリスクが伴うので避けるべきです。厚生労働省では、医薬品の安易な個人輸入をしないよう注意喚起しています。必ず医療機関を受診し、適切な方法でアフターピルを服用しましょう。
2023年9月現在、アフターピルは薬局での購入はできません。一部の薬局(必要な研修を受けた薬剤師のいる調剤薬局)では取り扱っていますが、この場合にも処方箋は必須です。アフターピルの市販化を求める声や、薬局での試験的な販売も検討されていますが、実現にはまだ時間がかかる可能性が高いでしょう。
アフターピルには、レボノルゲストレルを主成分とするノルレボ錠と、プリスタル酢酸を主成分とするエラワンがあります。ノルレボ錠は性交後72時間以内、エラワンは性交後120時間以内の服用が推奨されています。
当院で取り扱っているのは、ノルレボ錠のジェネリック医薬品であるマドンナ錠と、エラワンのジェネリック医薬品であるエラです。24時間受付・最短即日発送可能なので、望まない妊娠を防ぐためにも、ぜひお気軽にご相談ください。
参考サイト・文献
・緊急避妊に係る診療の提供体制整備に関する取組について(依頼)|厚生労働省
・緊急避妊に係る取組について|厚生労働省
・緊急避妊薬のスイッチOTC化に向けての要望|厚生労働省
・医療機関を受診せずに個人で海外製経口妊娠中絶薬を使用することは大変危険です|厚生労働省
・健康被害などリスクにご注意!海外からの医薬品の個人輸入|政府広報オンライン
・第25回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議 議事次第|厚生労働省
・低用量経口避妊薬(ピル)の承認を「可」とする中央薬事審議会答申について|厚生労働省
・緊急避妊法の適正使用に関する指針|日本産科婦人科学会
・緊急避妊薬としてのウリプリスタル酢酸塩とレボノルゲストレルの比較:ランダム化非劣性試験とメタアナリシス
・緊急避妊薬の取り扱いについて|ツルハドラッグ
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