「アフターピルが必要だけれど、高いと聞いた……」と不安を抱いている方もいるかもしれません。
アフターピルは、薬の種類やクリニックによって値段に差があります。相場を知っておくことで、薬やクリニックを選びやすくなるでしょう。
本記事では、アフターピル「エラワン」の値段や、購入方法などについて解説します。ほかのアフターピルと費用を比較しているので、お困りの方はぜひ参考にしてください。
「エラワン」の値段|保険適用なの?
アフターピルは保険適用外の自由診療であるため、クリニックによって値段には差があります。エラワンの値段相場は、8,000円〜1万5000円ほどです。
なお当院では、エラワンの後発医薬品(ジェネリック医薬品)である「Ella(120時間用)」という薬を13,750円(税込)で取り扱っています。ほかにも、72時間用のアフターピル「Madonna」も8,800円(税込)で処方可能です。
「エラワン」の値段は高い?ほかのアフターピルを比較
アフターピルは主に、以下の2種類があります。
- ウリプリスタル酢酸エステル:「エラワン」「エラ」
- レボノルゲストレル:「ノルレボ錠」「マドンナ」
上記のほかに、ヤッペ法(中用量ピルをはじめに2錠、12時間あけて2錠服用する避妊法)として「プラノバール」が選択されることもあります。「プラノバール」はもともと、月経トラブルの改善に使用されることが多いのですが、状況によっては緊急避妊薬として処方されることもある薬です。
それぞれの値段相場を表にまとめました。
薬の種類 | 値段の相場 |
・エラワン
・エラ |
8,000円~15,000円 |
・ノルレボ錠
・マドンナ |
6,000円~15,000円 |
・プラノバール | 4,000円~8,000円 |
「プラノバール」を除くと、アフターピル自体の価格帯はさほど変わりはありませんが、「エラワン」のほうが「ノルレボ錠」より高めのクリニックが多い傾向です。さらに、ジェネリック医薬品かどうかによっても多少値段は異なります。
なお「プラノバール」の値段は、ほかのアフターピルに比べて安いものの、副作用が出やすいとされています。選択する際には、服用方法や副作用についての説明を十分に受け、医師と相談して決めましょう。
アフターピル「エラワン」はどこで買える?産婦人科によって値段が異なる
アフターピルを処方してもらうには、医師の診察を受け、処方箋を発行してもらう必要があります。そのため、ドラッグストアなどでは購入できません(2023年10月時点)。
診察は、産婦人科や婦人科などの医療機関を受診してもよいですし、オンライン診療でも可能です。当院ではオンラインでの診療を受け付けており、来院不要で即日処方にも対応できます。
アフターピルの購入方法について詳しく知りたい方は、「アフターピルはどこで買える?正しい購入方法と処方までの流れを解説」もご覧ください。
医療機関を受診するケースと、オンライン診療を利用するケースについてそれぞれ詳しく解説します。
産婦人科や婦人科などの医療機関を受診
自宅の近くに産婦人科や婦人科があれば、直接受診するのもよいでしょう。診察を待つ時間がかかりますが、すぐにアフターピルを受け取れます。
さらに医師と直接話ができるため、不安や不明点をすぐに相談・解決できる点もメリットです。ただし初めて受診するクリニックでは、初診料がかかることがあります。また、家の近くだと、家族や周囲の人に知られてしまう恐れがあるでしょう。
オンライン診療を利用
直接クリニックを受診する方法以外に、オンライン診療を受けて処方してもらうことも可能です。しかしなかには、オンライン診療で処方してもらうことは安全なのか、不安な方もいるでしょう。
オンライン診療でも、医師による処方であれば基本的には安全といえます。オンライン診療であれば、場所を問わず診療・処方を受けられ、診察や処方の待ち時間もかかりません。さらにクリニックによっては、週末や年末年始に診察を受けられるところもあります。
薬が届くのに時間はかかりますが、即日発送に対応しているクリニックであれば、直接病院に行くより手軽に感じる方もいるでしょう。
また、アフターピルはクリニックによって薬の値段が変わります。自宅の近くに費用が安いクリニックがない場合でも、オンライン診療なら自分がよいと思った場所で処方を受けられるため便利です。
当院では、24時間LINEで受け付けております。18時10分までの決済で、即日発送にも対応可能です。プライバシーに配慮し、中身がアフターピルだとわかりにくい工夫をして配送していますので、安心してご利用いただけます。
アフターピル「エラワン」とは?
「エラワン」とは、ウリプリスタル酢酸エステルを主成分とするアフターピルで、「エラ(ジェネリック医薬品)」と呼ばれることもあります。性交後120時間以内の服用が推奨されており、早く服用するほど妊娠阻止率が高くなるといわれています。
アフターピルは緊急用の薬なので、基本的には毎回の性交時に正しく避妊をすることが大切です。アフターピルの妊娠阻止率は100%ではないため、常用するのはおすすめしません。
「エラワン」を含むアフターピルの効果
アフターピルを服用すると妊娠を阻止する効果が期待できますが、その理由ははっきりと解明されていません。妊娠を阻止できる理由としては、以下の2つが考えられています。
- 排卵の抑制や遅延
- 受精卵の着床を抑制
実際に、排卵前にアフターピルを服用した女性で、その後5〜7日間排卵が抑制され、正常な排卵過程を障害したとのデータがあります。排卵がないと受精そのものが成立しないため、妊娠を阻止できる仕組みです。
さらにアフターピルには、子宮内膜の増殖を抑制する作用もあるとされています。通常生理が起こると、卵胞期から黄体期にかけて受精卵が着床しやすいように、子宮内膜が増殖します。しかし、アフターピルを服用することで一時的に子宮内膜の増殖を抑えられるため、たとえ受精が起こったとしても妊娠が成立しにくくなるのです。
アフターピルが必要となるのは、「性交時の避妊に失敗した」「望まない妊娠の可能性がある」などの場合です。
- 避妊せずに性交した場合
- コンドームが外れたり破れたりした場合
- 経口避妊薬(低用量ピルなど)の飲み忘れや下痢などによる吸収障害があった場合
- 膣外射精された場合
- レイプや性的暴行を受けた場合
- 子宮内避妊具などの不適切な装着・破損・脱落があった場合
- 性交後8時間以内に避妊用ペッサリーを除去した場合
上記の状況に当てはまるときには、一刻も早くアフターピルを服用する必要があります。
アフターピル「エラワン」と「ノルレボ錠」の避妊率
アフターピルは薬によって推奨される服用時間が異なりますが、どちらにしても早く服用するほど避妊率(妊娠阻止率)が高くなることがわかっています。
レボノルゲストレル(マドンナやノルレボ錠)は、性交後72時間以内の服用が推奨されている薬です。性交後24時間以内で約95%の妊娠阻止率があり、72時間以内の服用で84%、120時間以内の服用で63%と、時間とともに妊娠阻止率が低下します。
対してウリプリスタル酢酸エステル(エラワンやエラ)は、性交後120時間以内の服用が推奨されている薬です。海外の臨床試験から、性交後72時間以内の服用についてはレボノルゲストレルと同等の避妊効果、72〜120時間までの服用においては、レボノルゲストレルよりも高い効果が期待できるとされています。
アフターピルの妊娠阻止率に関しては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
「エラワン」を含むアフターピルの副作用
アフターピルには、少なからず副作用が出現する可能性があります。生理中に見られる症状と似ており、具体的には以下の通りです。
- 性器からの不正出血(消退出血)
- 頭痛
- 吐き気
- 倦怠感
- 下腹部痛
- 乳房の張りや痛み
- 傾眠
上記の副作用のなかでも、頻度として最も多いのが消退出血です。消退出血は、アフターピルを服用してから2週間以内に起こる出血で、2〜3日ほど続きます。避妊が成功すると高い頻度で消退出血が起こるとされています。
ただし、アフターピル服用後に消退出血をはっきりと確認できないケースもあり、人によっては生理との区別が難しいことも少なくありません。そのため、消退出血がないからといって「妊娠した」とすぐに判断するのではなく、3週間ほど生理が来るのを待ちましょう。生理予定日を過ぎても出血がない場合には、妊娠検査の実施を推奨しています。
アフターピルによる副作用については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
「エラワン」などのアフターピルに関するよくある質問
この章では、「エラワン」を含むアフターピルに関する以下の疑問について解説します。
- 通販だと値段が安いけれど安全なの?
- マツキヨやスギ薬局などのドラッグストア(市販)だと安く買えるの?
- アフターピルを服用すると不妊につながるの?
- アフターピルはどのように選べばよいの?
ここで解決できないことは、医師へ相談しましょう。
通販だと値段が安いけれど安全なの?
医師の処方ではなく、通販や個人輸入して販売している人もいます。医師の診察なしに販売されているアフターピルは、品質が保証されておらず、安全性が担保できません。
避妊に効果のある成分が含まれていなかったり、体に害のある成分が含まれていたりする恐れがあるため、安全にアフターピルを服用するには、医師の診察を受け処方してもらうのがよいでしょう。
マツキヨやスギ薬局などのドラッグストア(市販)だと安く買えるの?
アフターピルは原則、医師の処方箋がないと購入できません(2023年10月時点)。そのため、ドラッグストアで販売されていることはありませんので、市販で安く購入するのは不可能です。
アフターピルを服用すると不妊につながるの?
アフターピルの成分は服用後数日ほどで体内から消失するため、将来の妊娠に影響することはないとされています。
安全性が高いとされるアフターピルですが、基本的には緊急の避妊対策として使用するものです。日頃から避妊を目的としてピルを服用するのであれば、低用量ピルをはじめとしたほかの避妊法を優先することをおすすめします。
アフターピルはどのように選べばよいの?
アフターピルには大きく2種類(レボノルゲストレルとウリプリスタル酢酸エステル)あり、服用のタイムリミットが異なります。性交後どれだけ時間が経っているかや、予算に合わせて選択するとよいでしょう。
ヤッペ法に使用される薬(プラノバール)は、ほかのアフターピルと比べて安い傾向にありますが、副作用が見られやすいとされています。安さだけを重視するのではなく、服用することでの影響も考慮したうえで、医師と相談して決めましょう。
アフターピル「エラワン」の値段はクリニックによって異なる
「エラワン」をはじめとするアフターピルは、薬の種類やクリニックによって値段が異なります。クリニック選びに迷う際には、今回ご紹介した相場を参考にして、自分の予算に合った薬やクリニックを選びましょう。
「アフターピルがすぐに必要だけれど、家族や周囲の人に知られたくない」と不安な方は、当院のオンライン診療をぜひご活用ください。来院不要で、最短即日処方・発送に対応可能です。LINEもしくは電話での診察となりますが、不明点は医師に確認できるため、安心してご利用いただけます。
参考サイト・文献
・緊急避妊について|東京都福祉局
・緊急避妊法の適正使用に関する指針(平成 28 年度改訂版)|日本産科婦人科学会
・緊急避妊薬としてのウリプリスタル酢酸塩とレボノルゲストレルの比較:ランダム化非劣性試験とメタアナリシス(日本訳)
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