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アフターピルの種類による効果の違いは?副作用や値段についても紹介

「避妊をせずに性交をしてしまった」「避妊をしていたが失敗してしまった」

このような状況の対処法として、アフターピルの服用が挙げられます。アフターピルは緊急避妊薬のことで、妊娠を阻止する効果が期待できる薬剤です。

アフターピルは2種類あり、性交から72時間以内、または120時間以内の服用で避妊効果を発揮します。この2種類は、推奨される服用時間のほかに、どのような違いがあるのでしょうか。

この記事では、アフターピルの種類による違いをご紹介します。種類ごとの特徴や値段、効果や副作用の違いについて詳しく解説しています。また、アフターピルに関するよくある質問にも回答していますので、ぜひ参考にしてください。

目次

アフターピルの種類は2つ|緊急避妊法を一覧で紹介

アフターピルとは、「緊急避妊薬」のことです。避妊せずに性交した場合や、避妊していたが失敗した場合などに、妊娠を阻止する目的で使われます。

また、これと似た言葉で「緊急避妊法」というものがあります。緊急避妊法の種類と特徴は下記の通りです。

種類 特徴
アフターピル

(レボノルゲストレル)

・商品名はノルレボ錠、レボノルゲストレル錠、マドンナ錠

・性交後72時間以内の服用を推奨

・国内承認済み

アフターピル

(ウリプリスタル酢酸)

・商品名はエラ、エラワン

・性交後120時間以内の服用で効果が期待できる

・国内未承認(2023年9月現在)

ヤッペ法

(Yuzpe法)

・1970年代に発表され、国内で最も一般的におこなわれてきた方法

・性交後72時間以内に中用量ピルを2錠、さらにその12時間後に2錠服用

銅付加子宮内避妊具 ・精子の運動能力を低下させて受精を阻害

・性交後120時間以内に装着

・120時間を超えていても、排卵日から5日以内であれば装着可能

アフターピルの種類としては、レボノルゲストレルとウリプリスタル酢酸の2つがあります。これは主成分で、商品名はそれぞれノルレボ錠(レボノルゲストレル錠、マドンナ錠)、エラワン(エラ)です。2種類のアフターピルについて、詳しくご紹介します。

ノルレボ錠(レボノルゲストレル錠、マドンナ錠)

レボノルゲストレルを主成分とするアフターピルとして、ノルレボ錠(レボノルゲストレル錠、マドンナ錠)があります。避妊をしなかったり失敗してしまったりした場合に、72時間以内に服用することが推奨されています。

ノルレボ錠(レボノルゲストレル錠、マドンナ錠)は72時間を超えて服用した場合でも妊娠率を低下させるという研究結果はあるものの、できる限り速やかに服用することが望ましいでしょう。

エラワン(エラ)

エラワン(エラ)は、ウリプリスタル酢酸を主成分とするアフターピルです。避妊をしなかったり失敗してしまったりした場合に、120時間以内の服用で効果が期待できるとされています。

エラワン(エラ)は、2010年にアメリカの食品医薬品局で承認され海外では多く使われていますが、日本国内では未承認となっています(2023年9月現在)。

アフターピルの種類ごとの値段は?

アフターピルには、ノルレボ錠(レボノルゲストレル錠、マドンナ錠)とエラワン(エラ)の2種類があります。アフターピルの処方は保険適用外のため、取り扱っている医療機関によって値段が異なります。

当院で取り扱っているノルレボ錠とエラワンについて、値段の相場は下記の表の通りです。

ノルレボ錠 エラワン
当院での値段 8,800円(税込) 13,750円(税込)
一般的な相場 10,000円前後 10,000円前後

このように、アフターピルは医療機関によって値段に違いがあることがわかります。なお、アフターピルの値段については、こちらの記事も参考にしてください。

アフターピルの種類で効果は変わる?

緊急避妊薬であるアフターピルは、種類によってその効果は変わるのでしょうか。下記のグラフは、レボノルゲストレル(LNG)とヤッペ法(Yuzpe法)の妊娠阻止率を比べたものです。

出典:​​緊急避妊法の適正使用に関する指針|日本産科婦人科学会

ノルレボ錠(レボノルゲストレル錠、マドンナ錠)の妊娠阻止率は、性交後24時間以内の服用で95%、48時間以内で85%、72時間以内で58%です。アフターピルを服用するのが早ければ早いほど、妊娠阻止率は高くなっています。

一方、エラワン(エラ)は、性交後120時間以内の服用によって、妊娠を阻止する効果が期待できるとされています。海外の臨床試験では、エラワン(エラ)の効果について下記の報告があります。

  • 性交後72時間未満の服用では、レボノルゲストレルと同等の効果がある
  • 性交後72時間から120時間までの服用では、レボノルゲストレルより効果が優れている

このことから、服用時間によってアフターピルの種類で効果に差があることがわかります。しかし、いずれにしてもできるだけ速やかに服用することが大切だと言えるでしょう。

アフターピルの種類ごとの副作用

アフターピルは、基本的に重篤な副作用はないとされています。しかし、医薬品である以上、副作用を生じる可能性は0ではありません。ここでは、アフターピルの種類ごとの副作用について見ていきましょう。

アフターピルの主な副作用は、下記の表の通りです。

商品名 主な副作用
ノルレボ錠、レボノルゲストレル錠、マドンナ錠 消退出血、不正出血、頭痛、悪心、倦怠感、傾眠など
エラワン、エラ 頭痛、吐き気、倦怠感、腹痛、生理痛、めまいなど

アフターピルの服用によってこのような副作用が表れることがありますが、一時的なものとされています。

ただし、服用後に嘔吐してしまった場合は、十分に効果が得られない可能性があるので注意しましょう。場合によっては、再度服用が必要です。目安としては、ノルレボ錠(レボノルゲストレル錠、マドンナ錠)では服用後2時間以内、エラワン(エラ)では服用後3時間以内とされています。

アフターピルの仕組み

アフターピルがどのように妊娠を阻止するのか、その仕組みは十分に解明されていません。しかし、レボノルゲストレルもウリプリスタル酢酸も、排卵を妨げたり遅らせたりする働きがあると考えられています。

アフターピルを排卵前に服用することで、より高い確率で妊娠を阻止できるでしょう。排卵後に服用した場合は、レボノルゲストレルもウリプリスタル酢酸も、緊急避妊薬としての有効性は実証されていません。

また、アフターピルは妊娠を阻止するものであり、流産させたり中絶させたりするものではありません。

アフターピルの効果はどう確認する?

アフターピルの服用によって妊娠が阻止できた場合には、消退出血が起こることがほとんどです。消退出血は避妊成功のサインと言われ、アフターピル服用後、およそ21日以内に起こるとされています。

しかし、消退出血か不正出血かを見分けるのはなかなか難しいでしょう。下記に、消退出血と不正出血の定義を記載します。

消退出血 血液中のホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンなどが低下することによって、子宮内膜が剥がれて起こる出血のこと
不正出血 ホルモンの異常やさまざまな疾患により、生理以外に出血すること

また、レボノルゲストレル服用後の生理については、下記の通りです。

  • 80%以上が生理予定日の前または2日以内に生理がある
  • 95%が生理予定日の7日以内に生理がある

生理が予定より7日以上遅れている場合には、妊娠検査を受けたほうがよいでしょう。

アフターピルに関するよくある質問

ここでは、アフターピルに関するよくある質問をご紹介します。

  • アフターピルは薬局で買える?
  • アフターピルはオンラインで買える?
  • アフターピルで生理周期は変わる?
  • アフターピルを何回も飲むとどうなる?
  • アフターピルは不妊につながる?

それぞれの質問について、詳しく見ていきましょう。

アフターピルは薬局で買える?

アフターピルは、薬局やドラッグストアなどでは購入できません(2023年9月現在)。一部の薬局では取り扱っていますが、処方箋が必要です。アフターピルを購入したいときには、医療機関を直接受診するか、オンライン診療を活用しましょう。

アフターピルはオンラインで買える?

アフターピルを購入するには、直接医療機関を受診するか、オンライン診療を受診する方法があります。オンラインでの購入はインターネット環境が必要ですが、時間や場所を問わずに診察・処方を受けられるのがメリットです。電話やビデオチャットなどを用いて医師の診察を受け、アフターピルを処方してもらうことができます。

当院では、LINEでの診察も可能です。24時間受付、最短即日発送なので、ぜひご活用ください。

アフターピルで生理周期は変わる?

アフターピルを服用すると、ほとんどのケースで次回の生理予定日から7日以内に生理が見られます。ノルレボ錠(レボノルゲストレル錠、マドンナ錠)では平均して1日ほど早く、またエラワン(エラ)では2日ほど遅れるとされています。

アフターピルを何回も飲むとどうなる?

アフターピルは、繰り返し服用しても健康上のリスクはありません。1回の生理周期に2回以上アフターピルを服用したとしても、安全であるとされています。

ただし、レボノルゲストレル(ノルレボ錠など)とプリスタル酢酸(エラワンなど)は、相互に作用します。そのため、5日以内に再度アフターピルの服用が必要となった場合には、すでに服用したものと同じ成分の薬剤を服用しましょう。

アフターピルは不妊につながる?

アフターピルの服用によって、将来の妊娠に影響を与えることはありません。ノルレボ錠(レボノルゲストレル錠、マドンナ錠)は、数日以内に体内から消失し、その後の性交によって妊娠が可能です。また、妊娠初期に誤って服用しても、胎児に害を与えることはないとされています。

アフターピルの種類を知って自分に合ったものを選ぼう

緊急避妊薬であるアフターピルは、その成分によって2種類にわけられます。レボノルゲストレルを主成分とするノルレボ錠(レボノルゲストレル錠、マドンナ錠)と、プリスタル酢酸を主成分とするエラワン(エラ)です。

ノルレボ錠は性交後72時間以内、エラワンは性交後120時間以内の服用が望ましいとされています。いずれにせよ、できるだけ早い段階で服用することで、妊娠を阻止する確率は高まります。また、正しく服用することで避妊効果を発揮するので、必ず用法用量を守りましょう。

値段としては、アフターピルは保険適用外であるため取り扱っている医療機関によって異なりますが、相場は10,000円前後です。アフターピルは処方箋が必要であり、購入には医療機関を受診しなければなりません。しかし、オンライン診療を導入しているところも増えているので、状況に応じて活用するとよいでしょう。

当院でも、72時間以内のアフターピルと120時間以内のアフターピルの2種類を取り扱っています。LINEで完結、診察料無料でお気軽に医師に相談できます。ぜひご活用ください。

参考サイト・文献
EPCファクトチェック|#緊急避妊薬を薬局で 緊急避妊薬の薬局での入手を実現する市民プロジェクト
緊急避妊法の適正使用に関する指針(平成28年改訂版)|日本産科婦人科学会 編
緊急避妊薬としてのウリプリスタル酢酸塩とレボノルゲストレルの比較:ランダム化非劣性試験とメタアナリシス
不正出血|日本産科婦人科学会
不妊治療の用語|日本産婦人科医会

 

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