アフターピル

【2023年8月】アフターピルはまだ薬局で買えない?最速の入手方法とは

避妊に失敗したときなどに用いられるアフターピル(緊急避妊薬)。

「薬局やドラッグストアで購入することはできないのだろうか」

「医師の処方箋なしに手に入れる方法はないのかな」

このような疑問を抱く人もいるでしょう。

結論からお伝えすると、2023年8月時点で、マツキヨやスギ薬局のようなドラッグストアでアフターピルを手に入れることはできません。一刻も早くアフターピルがほしい人は、産婦人科などのアフターピルを取り扱っている医療機関を受診しましょう

この記事では、アフターピルを医療機関で処方してもらう手順やそのほかの入手方法、効果や副作用について解説します。

また今後、アフターピルが市販される可能性があることについても紹介します。

アフターピルは薬局では手に入らない

2023年9月現在、薬局ではアフターピルを購入することができません

ただ、アフターピルの市販化に向けて、2023年夏頃から一部の薬局で試験的な販売が予定されています。しかし、国からの明確な試験販売開始日の発表もないため、薬局で購入できる目処が立っていないのが現状です。

またアフターピルを販売できる店舗は、国が示す一定の条件を満たす必要があるため、ごく限られた店舗での販売が予想されます。

出典:第25回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議

今後、試験的販売が開始されると、薬局などのドラッグストアで医師の処方箋なしで購入できる可能性があります。ただし、購入できる店舗は限られると予想されるため、すぐに手に入れたい場合には不向きかもしれません。

アフターピルを手に入れる方法は2パターン

そこで、現時点でアフターピルを手に入れる方法を紹介します。アフターピルを入手する方法は以下の2パターンです。

  1. 医療機関で処方してもらう
  2. オンライン診療を受けて処方してもらう

それぞれアフターピルを入手する手順やメリット、デメリットを詳しく解説します。

1.医療機関で処方してもらう

1つ目は、医療機関に直接行って処方してもらう方法です。アフターピルの処方や緊急避妊に対する診療が可能な医療機関については、厚生労働省のサイトを参考にしてください。

実際にアフターピルを医療機関で処方してもらう手順は以下の通りです。

1.アフターピルを取り扱っている医療機関を探す

厚生労働省のサイトを参考に、アフターピルを取り扱っている産婦人科を探しましょう。

2.医療機関へ行き、受付をする

アフターピルは原則、自費診療のため保険証は不要です。

3.問診票に記入する

問診票の記入を求められる場合は、必要事項を記入しましょう。

4.診察を受ける

個人の状況によって診察内容は異なりますが、避妊に失敗した日時や最終生理日などを問われます。アフターピルを処方する際に大切な情報となりますので、落ち着いて答えられるようにしておきましょう。

5.アフターピルを受け取る

問題がなければアフターピルを処方してもらえます。院内処方の場合は病院内で、院外処方の場合は近隣の調剤薬局で処方箋を渡し、処方してもらいましょう。

2.オンライン診療を受けて処方してもらう

2019年からオンライン診療でもアフターピルを処方してもらえるようになりました。

オンライン診療は、スマホやパソコンさえあればどこでも診察を受けられるのがメリットの1つです。医療機関と自宅との往復や、窓口での受付などがないため、気軽に利用できるでしょう。また、人に会わずに診察を受けられるのもオンライン診療ならではの特徴です。

実際にアフターピルをオンライン診療で手に入れる手順は以下の通りです。

以下の方法は、オンライン診療を受ける一般的な方法です。具体的な診療手順は各医療機関に直接お問い合わせください。

1.オンライン診療ができる医療機関およびアフターピルを調剤できる薬局を確認する

オンライン診療に対応している医療機関調剤薬局を確認しましょう。

2.インターネットを通じてオンライン診療を受診

ビデオ通話などを通して医師の診察を受けます。

3.対象の薬局に行き、薬剤師から薬の説明と服薬指導を受ける

薬剤師がいる前で、アフターピルを1錠服用します。

4.3週間後に産婦人科を受診する

避妊の成否を確認するために、3週間後に産婦人科を受診する必要があります。3週間後に、対象の産婦人科を受診するようにしましょう。

上記の方法以外にも、アフターピルを必要とする人とオンライン診療に対応している医療機関とをつなぐオンラインサービスもあります。

アフターピルを海外から個人輸入するのは危険

近年、アフターピルに限らず、医薬品や化粧品をインターネットを通じて海外から個人輸入する人が増えています。しかし、個人輸入には健康被害など多くのリスクが伴うためおすすめしていません

  • 薬の有効性や安全性が確認されていない
  • 正規品を真似した偽物の可能性がある
  • 健康を害する危険性がある

それぞれ解説します。

薬の有効性や安全性が確認されていない

国内で販売されている医薬品は、法律に基づいて有効性や安全性が確認されています。しかし海外から取り寄せた医薬品などは、十分な品質管理がおこなわれていない商品もあります。国内の医薬品と同じような感覚で「安全だろう」と安易に服用するのは危険といえるでしょう。

正規品を真似した偽物の可能性がある

海外から輸入した商品が、そもそも正規品ではない可能性があります。過去に、ED(勃起不全)治療薬の大部分が偽物であったというケースもあるため、偽造薬には注意が必要です。

輸入した商品が偽造薬だった場合、正規品に含まれる有効成分が含まれていない可能性があります。そのため、避妊の効果を得られないかもしれません。

健康を害する危険性がある

上記にもあるように、薬の有効性や安全性が十分に確認されておらず、正規品を真似した偽造薬などであった場合、健康を害する恐れがあります。過去に個人輸入した医薬品を服用したことによる健康被害の報告もあがっています。

たとえば、ダイエット用の薬を海外から個人輸入したケースです。服用した人に肝機能障害や頭痛、めまいや低血糖などの症状が表れたと報告されています。さらに、海外から個人輸入した中絶薬を服用し、膣から大量出血が引き起こされた事例もあります。

以上の点から、アフターピルを海外から個人輸入するのはおすすめしません

そもそもアフターピルとは?

アフターピルは、避妊に失敗したときや性犯罪による望まない妊娠を避けるときにとてもよく用いられる緊急避妊薬です。あとでも述べますが、国内唯一の承認薬であるノルレボ錠であれば、性交渉から72時間以内に服用しなければなりません。避妊効果を高めるためには、性交渉後、できるだけ早期の服用が望まれます。妊娠阻止率は、服用した時間にもよりますが、約80%です

緊急避妊法には、アフターピルのほかに中用量ピルを用いた「ヤッペ法」があります。ヤッペ法はかつては国内でよく用いられていた緊急避妊方法ですが、妊娠阻害率の低さや副作用が出やすいことなどから近年はあまり用いられていません。

アフターピルの種類は2つ

日本国内で取り扱われているアフターピルの種類は、ノルレボ錠(レボノルゲストレル錠)とエラワン(エラ)の2種類あります。それぞれ解説します。

ノルレボ錠(レボノルゲストレル錠)

レボノルゲストレルを主成分とするノルレボ錠は日本で唯一、緊急避妊薬として承認されている薬です。緊急避妊法の第1選択として推奨されており、多くの医療機関で用いられています。

ノルレボ錠は性交後、72時間以内に1錠服用することが推奨されており、服用が早いほど妊娠阻害率が高まるといわれています。以下は、ヤッペ法(Yuzpe法群)とノルレボ錠(LNG群)を服用したときの時間ごとの妊娠阻害率を表したグラフです。

出典:緊急避妊法の適正使用に関する指針|日本産科婦人科学会編

ノルレボ錠を避妊に失敗した性交から24時間以内に服用できると、95%の確率で妊娠を阻止できます。72時間以内でも58%の確率で妊娠を阻止できます。

エラワン(エラ)

ウリプリスタール酢酸エステルを主成分とするエラワンは、国内で未承認ながら妊娠阻止率が高く、日本国内でも用いられています。

エラワンは性交後、120時間以内に服用すれば効果があるとされています。また性交から72時間未満の服用であれば、避妊効果はノルレボ錠と同程度です。

また、72時間から120時間までの服用であれば、ノルレボ錠よりも優れた効果があるとさえいわれています。

アフターピルの副作用

アフターピルの副作用には、以下の症状があります。

【ノルレボ錠(レボノルゲストレル)】

  • 消退出血
  • 不正子宮出血
  • 頭痛
  • 悪心
  • 倦怠感
  • 傾眠

【エラワン(エラ)】

  • 頭痛
  • 吐き気
  • 腹痛
  • 生理痛
  • 嘔吐
  • めまい
  • 倦怠感

副作用が比較的少ないとされているアフターピルですが、上記のような副作用が生じる可能性は十分にあります。上記のような症状が表れた場合には、速やかに受診した医療機関に相談しましょう

アフターピルに関するよくある質問

最後に、アフターピルに関するよくある質問についてお答えします。

  • アフターピルは男性でも買えますか?
  • 市販薬で、アフターピルの代わりになるものはありますか?
  • 避妊に失敗したので膣内を洗ったのですが、避妊の効果はありますか?

それぞれお答えします。

アフターピルは男性でも買えますか?

アフターピルを男性が買うことはできません。

女性本人が医師の診察を受ける必要があるため、男性だけ医療機関に行ったのではアフターピルの処方はしてもらえません

オンライン診療で医師の処方箋をもらい購入する場合は、女性本人が薬剤師による服薬指導を受け、さらに薬剤師の前で服用をする必要があります。そのため男性だけで購入するのは難しいといえるでしょう。

市販薬で、アフターピルの代わりになるものはありますか?

市販薬でアフターピルの代わりになるものはありません。誤った情報を元に、市販薬を服用するのは控えましょう。また、市販薬を過剰に摂取してしまうと、副作用が表れ体調を崩す可能性があります。自己判断でむやみに市販薬を服用するのはやめましょう。

避妊に失敗したので膣内を洗ったのですが、避妊の効果はありますか?

膣内を洗う「膣洗浄」に避妊の効果はありません。精液を洗い流すと妊娠を防げると思われている人がいますが、ほとんど効果はないでしょう。

また、同じくあやまった避妊の知識として膣外への射精があげられます。精液は、射精前に分泌されるカウパー腺液という透明の分泌液にも含まれています。そのため膣内に射精しなかったからといって妊娠しないわけではありません。

アフターピルは薬局では入手困難なため、医療機関で処方してもらおう

2023年8月時点では、薬局でアフターピルを購入することはできません。そのため、アフターピルを入手したい場合には、医療機関やオンラインで診察を受ける必要があります。

あしたのクリニックではオンラインでアフターピルの処方をおこなっております。「病院に行く暇がない」「人目に触れずにアフターピルを受け取りたい」とお考えの方はぜひご活用ください。

参考サイト・文献

厚生労働省|第25回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議議事次第
厚生労働省|緊急避妊に係る取組について
厚生労働省|オンライン診療で緊急避妊を行う場合の要件等について
厚生労働省|「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に基づく薬局における対応について
厚生労働省科学研究データベース|オンライン診療に伴う緊急避妊薬の調剤について|薬局での対応について
厚生労働省|第25回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議議事次第
政府広報オンライン|健康被害などリスクにご注意!海外からの医薬品の個人輸入
厚生労働省|医療機関を受診せずに個人で海外製経口妊娠中絶薬を使用することは大変危険です
厚生労働省|2021ECPファクトチェック
日本産婦人科学会|緊急避妊法の適正使用に関する指針
政府広報オンライン|知っておきたい薬のリスクと正しい使い方
兵庫県立大学|避妊について

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